タイプ別の小学校受験の特徴を複数に分けて説明しています。
今回は学芸大学附属やお茶の水女子大学附属、筑波大学附属等、中学や高校からでも最難関クラスの小学校を擁する国立小学校を取り上げます。
その存在意義としては文科省から明確な定義が挙げれらています。
使命・役割
引用元:国立の附属学校の概要(文部科学省)
①実験的・先導的な学校教育
実験的・先導的な教育課題への取組
地域における指導的・モデル的な学校としての取組
②教育実習の実施
大学・学部の教育実習計画に基づく教育実習の実施
教員を目指す学生に対し、体験的な実習を実施
大学・学部における教育に関する研究への協力
③現代的教育課題(特別支援、いじめ、不登校など)に対応した教員
養成の在り方に関する研究への協力
この点公立とは異なりますし、同じく特色ある教育が特徴の私立ともやや毛色が異なっています。
それでは国立小学校のメリットやデメリットを公立や私立の学校と比較しながらまとめていきます。
目次
国立タイプのメリット
①最先端教育の実施
冒頭でも少しふれましたが、国立小学校の使命・役割として「実験的・先導的な学校教育」ということが挙げられています。
即ち大学研究の最先端の理論をもとに質の高い授業が受けられる可能性が高いということがメリットとして挙げられます。
例えば最新のICT教育やプログラミング、音楽や国語の組み合わせ、新聞作成など様々な授業が受けられます。ICT教育はまさに公立含め様々な学校に取り入られていってますね。
また、国立小学校は「リーダ的小学校」の位置付けもありますから、公立小学校より先んじて、私立とは違う視点でこの様な授業が受けられるのは魅力的ですよね✨
②教師の質の高さ
国立小学校の先生は選抜もあり、狭き門を突破した先生でもあります。
また、大学の最先端理論を現場に落とし込んで広めていく「リーダー的小学校」の位置付から、教育熱心な先生が大変多いです。
さらに教科ごとに先生を変える教科担任制を取っている国立小学校も多くあり、教科ごとの専門性を上げています。
公立の小学校等は基本的に担任の先生がほとんどの教科を教えますが、教科ごとに専門科目の先生が授業をしてくれるので、授業の質も上がることが多い点もメリットですよね。
③学費の安さ
何と言っても学費が安い!ここは子供にとってというよりは、親として本当に助かる部分ですよね。基本的には公立小学校と同じく無料になります。
細かくは給食費や教材費、その他諸経費は掛かるものの、私立の場合初年度で150-200万円前後かかるところはザラです。
なので、高い教育水準を公立と同程度の費用で得られるのであれば、コスパの観点では相当メリットとなります。
国立タイプのデメリット
①抽選システムがある
国立小学校は教育研究を行う目的があるため、バランスよく学力に偏りがない様に合格者を決めるという前提があるため、切っても切り離せない制度となっています。
とはいえ、実際は受験者が何らかの対策を行っていることが殆どなので、結局は学力が高い母集団での抽選にはなってしまっているというのが実情ではないでしょうか。
散々準備して、抽選に外れるというのは明確にデメリットといえるでしょう。
ここは、嘆いても仕方がないので、この制度のリスクは認識した上で、国立小学校の受験を判断するしかありませんよね。抽選に外れるという事態もあると思いますので、複数校受験できる地区に住む、私立も併願する等のリスクヘッジを子供や親の負担を加味していくのも一考かもしれません。
②内部進学の難しさ
ここは単純にデメリットともいえないかもしれませんが、国立小学校の内部進学比率は私立の附属校より低いことが通常です。
私立小学校の内部進学率が90%超のことが多いですが、国立小学校では学校にもよりますが30%-60%と低く、この点をデメリットと捉えることはできるでしょう。
このため、内部進学のための通塾等もする必要があり、私立の内部進学の様に勉強以外にあまりに注力するということは難しくなるかしれません。
一方で、常に切磋琢磨する環境にはあるので、学力的に外部受験生と大きく差がつきづらい点や、その様な環境にあることは、メリットとも考えらえるので、家庭の考えや子供の特徴から国立小学校選びの判断ポイントに入れてもいいかもしれません。
③あくまで実験校の側面
国立小学校の使命・役割「実験的・先導的な学校教育」というのがありました。国立小学校は新しい教育の効果を実験する役割もあるため、公立小学校では導入されていない最先端の授業を受けられるのが特徴です。
しかし、有効な教育かどうか分からないまま(大学の研究や文科省の推薦する内容ではあるものの)授業に導入されることもあるので、内容によってはマイナスの場合もある点はデメリットとも考えられます。最先端の教育を受けられるのが全て良いこととは限らないのですね。
まとめ
以上まとめると、
メリットとしては😆
- 最先端教育の実施
- 教師の質の高さ
- 学費の安さ
デメリットとしては😢
- 抽選システムがある
- 内部進学の難しさ
- あくまで実験校の側面
ということになります。
国立小学校には私立や公立小学校とは違った側面があり、この点踏まえた上で、国立小学校を受験するのか?国立のみ受験するのか?私立も受けるのか・・・を考えてもいいかもしれません。
デメリットも挙げさせていただきましたが、それをどう克服し、メリットを享受するか?という事を加味して国立小学校の受験を考えられてはいかがでしょうか?